年齢を重ねて高齢になってくると、足腰が弱くなって転びやすくなるという話をよく聞きますよね?
そうなると怖いのが「転倒」のリスクです。
転倒は高齢者が他者による介護が必要な状態「要介護状態」に移行する原因のなかでも、大きな割合を占めています。
今回は高齢者の転倒を予防するのにおすすめの「転びにくい靴」について解説し、実際におすすめの「転びにくい靴」を紹介していきます。
最近足腰が衰えてきて不安だという高齢者の方や、おじいちゃん・おばあちゃんへのプレゼントを検討している方にもおすすめの内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
高齢者の転倒リスクについて
まずはじめに、高齢者にとっての転倒がどれだけ恐ろしいことなのかをお話ししていきます。
高齢者は転倒しやすくなるといわれていますが、これにはきちんとした根拠があります。
そして重要なのが、高齢者は転倒した結果骨折や寝たきりなどの重大な事態に移行してしまうリスクが高いということです。
高齢者が転倒しやすくなる理由についてきちんと理解し、正しい予防を講じることが重要です。
加齢に伴う歩行への影響
加齢に伴い転倒しやすくなると言う話をよく聞きますが、具体的にどのような仕組みで転びやすくなるのかを解説していきます。
高齢者はまず足の筋肉が衰えてきます。
これによりつま先が上がりにくくなり、すり足のような状態の歩行になってきます。
そうなるとちょっとした段差やコード等につまづきやすくなってしまうのです。
また、腰が曲がって前かがみの猫背のような姿勢になったり、腕の振りが小さくなったりして正しい歩行姿勢が失われてくると、バランスがとりづらくなってしまいます。
このような加齢による体の変化が理由で、つまづいたりバランスを崩してしまい転倒してしまうケースが非常に多くあります。
転倒を予防するには正しい歩行姿勢や筋力の向上など、転倒しやすくなってしまう理由をなくすことが必要なのです。
高齢者に多い転倒場所
ここまで、高齢者が転びやすくなってしまう仕組みについて解説してきました。
高齢者はどのような状況で転倒のリスクが高まってしまうのでしょうか?
上の図は健康長寿ネットに掲載されている平成22年12月から平成24年12月末までの事故発生場所をまとめたものです。
65歳以上の高齢者の方が住宅内での事故の割合が高いことが分かりますね。
また、住宅内でのうち居室や階段での事故発生件数も高齢者が非常に多くなっています。
こうした高齢者の住宅内での事故で多いのが、「転倒」や「転落」です。
ちょっとした家具やコードなどにつまづいたり、フローリングやお風呂場などで滑ったりしてしまう等、ちょっとしたことが原因で事故に繋がります。
外出先ではもちろんですが、住宅内でも転倒や転落などの事故を防止することが重要だということが分かりますね。
高齢者が履く転びにくい靴のおすすめの種類
ここからは、高齢者におすすめの転びにくい靴の種類について解説していきます。
転倒防止機能も重要ですが、普段使う靴なので歩きやすさやおしゃれさ等も大事なポイントです。
室外ではスニーカーがおすすめ
室外では「スニーカー」を履くのがおすすめです。
スニーカーの特徴として、歩きやすさを重視して設計されているものが多く、転倒予防にも効果が期待できるほか、おしゃれも楽しめる点が挙げられます。
また、スニーカーを扱っているブランドやショップも多く、取り扱いが豊富なため多くの選択肢のなかからお気に入りの一足を選ぶことができます。
ご家族からのプレゼントにも選びやすく、非常におすすめです(^^)/
室内ではルームシューズやケアシューズ
前の項でも解説したとおり、高齢世代では室内での転倒のリスクも高いため、自宅内でもルームシューズやケアシューズなどを履くことをおすすめします。
ルームシューズは耳慣れた方が多いかと思いますが、ケアシューズという言葉は初めて聞く方もいらっしゃると思いますので、解説します。
ケアシューズとは…
介護が必要な人が履くことを想定して設計された靴のこと。
履きやすく、転びにくいなど高齢者に嬉しい機能を備えたものが多い。
こうしたシューズを室内でも履くことで転倒のリスクを軽減することができます。
つまづきにくく、滑りにくいものを選びたいですね。
高齢者向けの「転びにくい靴」ってどんな靴?
高齢者向けの「転びにくい靴」とは、どのような機能を兼ね備えた靴なのでしょうか?
転びにくい靴の特徴として以下の3つが挙げられます。
- つま先部分が上がった靴
- かかとが安定している靴
- 滑りにくい靴
このような靴は本来の正しい歩行姿勢への矯正を助け、滑りにくい設計となっていることで転倒のリスクを軽減できます。
本来の正しい歩行とはかかとから着地し、つま先でしっかり蹴り上げることです。
こうした歩行が筋力の衰えなどの理由から難しくなってきて、すり足のような歩行になってしまい少しの段差でもつまづきやすくなってしまうのです。
正しい歩行へと共生するために、しっかりとつま先が上がりやすくかかとが安定した靴を選ぶことが重要です。
また、靴底に滑り止め防止機能が備わっているかどうかもしっかりと確認しましょう。
高齢者向け「転びにくい靴」の選び方
高齢者向けの「転びにくい靴」の選び方について解説します。
高齢者向け「転びにくい靴」の選び方のポイントは以下の5点です。
- つま先が上がりやすく、かかとが安定した靴を選ぶ
- 滑りにくい靴を選ぶ
- 脱ぎ履きしやすく、締め付けない靴を選ぶ
- 軽くて負担が少ない靴を選ぶ
- 自身の足の形にフィットした靴を選ぶ
高齢者が普段履く靴を選ぶ際には、つまづきにくい設計や滑り止め機能等ももちろん重要ですが、それ以外にも履きやすさや軽さ、サイズ感も大事なポイントです。
こうした要素はバランスのとりやすさや歩きやすさにも関わってきますので、転倒のリスクに大きく影響してきます。
購入前にしっかりと確認しましょう。
つま先が上がりやすく、かかとが安定した靴を選ぶ
「つま先で蹴り上げ、かかとから着地する」という、人間本来の正しい歩行姿勢への矯正を助ける靴を選ぶことが必要です。
これにより、段差やコードに引っかかりにくくなり、つまづきを防止することができます。
そのためには、つま先部分が上がった設計になっているものや、かかと部分が安定したデザインの靴を選びましょう。
滑りにくい靴を選ぶ
靴底に滑り止め防止機能が備わった靴を選べば、スリップ転倒のリスクを大きく軽減することができます。
雨の日の濡れたコンクリートなど、足場の状態によって高齢者の転倒のリスクは大きく変化します。
室内でもフローリングやお風呂場など、滑りやすい箇所は存在します。
滑り止め機能がしっかり備わった靴かどうか、購入前にしっかりと確認することが、高齢者の転倒リスクを軽減することに繋がります。
脱ぎ履きしやすく、締め付けない靴を選ぶ
高齢者が履くことを考えると、脱ぎ履きしやすい靴を選ぶことも重要です。
靴紐ではなくチャック式になっている靴や、履き口が広い靴などは高齢者でも楽に簡単に履けるためおすすめです。
また、履き心地についても、足をできるだけ締め付けない設計になっている靴が高齢者には向いています。
むくみが気になる高齢者であれば尚更、締め付けの優しい靴を選びましょう。
軽くて負担が少ない靴を選ぶ
なるべく軽量で高齢者でも扱いやすい靴を選ぶことも大事なポイントです。
重たい靴を使用していると歩いているうちに高齢者の足に疲れが出てきてしまい、正しい歩行を妨げ転倒しやすい歩き方になってしまいます。
長い時間歩いても足への負担が少ない、なるべく軽量で扱いやすい靴を選びましょう。
自身の足の形にフィットした靴を選ぶ
自分の足の形や特性についてしっかりと理解し、サイズや形・足の症状に合った靴を選ぶことも非常に大事なポイントです。
高齢者のなかには偏平足や外反母趾、足のむくみなどの症状に悩まされる方も少なくありません。
そういった自分の足の特性を事前に把握し、それに合った靴を選びましょう。
足に合っていない靴を履き続けると転倒の原因だけでなく足の形の変形などにも繋がりかねません。
自分でできる!足のサイズの測り方
足のサイズや形に合った靴を選ぶことが非常に重要であるというお話をしましたが、ここからは自分の足のサイズを正しく測る方法について解説していきます。
正しい足のサイズの測り方
足のサイズを測る方法は、ASICS公式HPに掲載されています。
ASICS公式HP:https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/shoe-size-guide
足のサイズを測る際は必ず裸足の状態になり、肩幅に足を開き体重のかけ方に偏りが出ないよう両手はまっすぐ下に伸ばします。
足長と足囲の両方を図るようにしましょう。
また、必ず片足だけでなく両足を図るようにして、左右違う場合は大きい方のサイズを参考にサイズ表を確認しましょう。
サイズ表で足のサイズを確認しよう!
サイズを測り終えたらサイズ表で自分の足に合った靴のサイズを確認します。
先ほど測った足長/足囲で計算して出た数字を下記サイズ表に当てはめて自分に合った靴のサイズを探すことができます。
男性用サイズ表
女性用サイズ表
足のサイズの測り方を動画で確認したいという方は、YOUTUBEで測り方の解説動画が掲載されていますので、こちらをご覧ください。
足に合わない靴を履くリスク
自分の足の形やサイズなどの特性をしっかりと理解し、それに合わせた靴を選ぶことは転倒予防の観点からも非常に重要だという話をしましたが、その他にも多くのリスクが存在します。
猫背や体の歪みに繋がる
自分の足に合わない靴を履き続けると、正しい姿勢を保持することができなくなってしまい、猫背や体の歪みに繋がってしまいます。
猫背や体の歪みは頭痛や肩こりの原因となるほか、様々な病気の原因にもなり得るため、足元から正しい姿勢を保持することは非常に重要です。
普段歩く際の意識はもちろん必要ですが、正しい姿勢を助ける機能が備わった靴を選びましょう。
外反母趾や偏平足、巻き爪のリスクも
足に合わない靴を履き続けると外反母趾や偏平足、巻き爪など様々な足の症状を引き起こしてしまうリスクがあります。
これらの症状を聞いたことがないという方向けに、簡単に説明します。
外反母趾…足の親指の付け根部分が内側に変形し、歩行の際に痛みを伴う症状
偏平足…足裏の土踏まず部分のアーチ形が平らになり、歩行の痛みを伴う場合がある症状
巻き爪…爪の端が皮膚に食い込む混んでしまい痛みを伴う症状
これらの症状は、足に合わない靴を履き続けることで発生してしまう可能性があるといわれています。
こうした症状が出てしまうと、歩行の際に痛みが生じてしまうため、より悪い姿勢の歩行や、そもそも歩行の頻度が減ってしまうことに繋がってしまいます。
そうならないためにも、しっかりと自分の足に合った靴を選び予防しましょう!
高齢者向けおしゃれな「転びにくい靴」のおすすめをご紹介!
ここからは実際に、高齢者におすすめの「転びにくい靴」について紹介します。
なお、転びにくい室内履きである「ルームシューズ」については別の記事で紹介しているため、今回は外で履くことを前提にした靴を紹介していきます。
転びにくいルームシューズについて興味がある方は、ぜひこちらもご覧ください。
【レディース】コンフォートシューズ
女性向けの軽くて転倒予防機能が備わったシューズです。
おしゃれなデザインで履きやすく、室内外両方に使えます。
【レディース】アサヒシューズ 快歩主義 女性 婦人 高齢者 靴
ひざへの負担を軽減し、体重移動をスムーズにする「フットオンコントローラーシステム」を採用した高齢者向けのシューズです。
で老人っぽくないお洒落なデザインで家族や友人とのお出かけにもおすすめです。
【レディース】快歩主義 コンフォートシューズ 3e ゆったり幅広 レディース
内側にファスナーがついており、脱ぎ履きしやすくデザイン性にも配慮されたシューズです。
歩きやすさはもちろん、丸洗いもでき扱いやすい点も魅力ですね(*^^*)
【レディース】ムーンスターEVE 195
つまづき防止機能搭載の、ゆったり柔らかな履き心地を実現した婦人靴です。
ムーンスターのデザイン性が高齢者っぽくないおしゃれな雰囲気を醸し出します。
【メンズ】【レディース】アシックスウォーキング ウォーキングシューズ ライフウォーカー ニーサポート500W
転倒防止機能のほか、膝への負担を極限まで減らす設計となっているウォーキングシューズです。
【メンズ】【FitVille】メンズシューズ
マジックテープで脱ぎ履きしやすく、転倒防止機能も備わった高齢者におすすめのシューズです。
【メンズ】アシックス ライフウォーカー101
ASICSが開発した、面ファスナータイプの脱ぎ履きしやすいメンズシューズです。
使い勝手の良いスポーティなデザインが場所を選ばず活躍します。
まとめ:高齢者は「転びにくい靴」を履きましょう!
今回は、高齢者向けの「転びにくい靴」について選び方や特徴について解説し、おすすめのおしゃれな転倒予防靴もご紹介しました。
高齢者の転倒のリスクは年齢とともに高まっていき、早めの予防が必要です。
今回の記事を参考に足元から転倒を予防し、健康寿命を延伸させて豊かなアクティブ・ライフを過ごしましょう!
また、別の記事では高齢者におすすめのウォーキングシューズや靴下の紹介もしています。
興味がありましたら是非こちらもご覧ください。
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