何らかの事情で入院が必要となった場合、暇を持て余して辛い思いをする方も多いでしょう。
とくにスマートフォンを扱えない高齢者の方は、若年世代よりも入院中にやれることが少ない傾向があります。
病気やケガの不安から、なにかに集中して気を紛らわしたい方も多いはずです。
そこで今回は、スマートフォン以外でできる高齢者におすすめの入院中の暇つぶしを解説します。
プレゼントにおすすめの暇つぶしグッズも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
入院中の高齢者に暇つぶしは必要?
心理的な側面から見ると、入院期間中は孤独や不安を感じやすいといわれています。家族や友人との接触が制限されることで孤独感が増大することや、病気や治療に対する不安、将来への不確かさが心理的ストレスを引き起こす場合も少なくありません。このような心理的ストレスを軽減するためにも、暇つぶしによる気分転換が有効です。
さらに、入院中は認知機能への影響も考慮する必要があります。高齢者の場合、入院生活が長引くと、認知機能が低下するリスクが高まる恐れがあります。日々の刺激が少ない環境は、思考力や記憶力の低下の原因です。そのため、パズルや読書、趣味活動など、脳を活性化させる暇つぶしが推奨されます。
これらの理由から、入院中の高齢者にとって適切な暇つぶしは、単なる時間の過ごし方以上の意味を持ちます。暇つぶしはさまざまな側面においてポジティブな効果をもたらすため、重要性は非常に高いと言えるでしょう。
入院中の高齢者が暇つぶしをするメリット
ここでは、入院中の高齢者が暇つぶしをするメリットを紹介します。
入院中、やることがなくて困る方は、ぜひ参考にしてください。
気分転換になり思考がポジティブになる
入院生活は、環境の変化や不確かさからストレスを感じやすいものです。暇つぶしは、これらのストレスから一時的にでも気を紛らわせる手段となり得ます。
例えば、好きな音楽を聴く、映画やドラマを観る、簡単な手工芸や絵を描くなどの活動は、心をリフレッシュさせ、ポジティブな気持ちを育みます。入院中の孤独感や不安を軽減するだけでなく、全体的な精神的ウェルビーイングを向上させる効果が期待できるでしょう。
手指の運動に繋がる
高齢者にとって、日常的な手指の運動は、身体機能を維持する上で非常に重要です。入院中は運動不足になりがちですが、手工芸、絵を描く、文字を書くといった活動は、手指や手首の運動になり、筋肉の衰えを防ぎます。
また、手指の運動には柔軟性を保ち、関節の動きをスムーズにする効果もあります。これにより、日常生活で必要な手の動き、例えば物を掴む、開ける、回すといった動作の保持や改善効果が期待できます。
認知症の予防効果が期待できる
認知症の予防には、脳を刺激する活動が効果的であるとされています。パズルやクロスワード、読書などの脳を活用する暇つぶしは、思考力や記憶力を鍛え、認知機能の維持に役立ちます。
入院中は脳への刺激が少なくなりがちです。何もしないまま過ごしてしまうと、認知機能が衰えるリスクがあります。
認知症予防になる暇つぶしには入院中にできるものが多いため、ぜひ試してみてください。
新たな趣味につながる可能性がある
入院中の高齢者が暇つぶしで新しい活動に挑戦することは、新たな趣味を見つける絶好の機会です。例えば、入院中にはこれまで関心はあったものの時間がなくてできなかった絵を描く、手工芸、詩を書く、または楽器の演奏など、多様な活動に手を出すことができます。
新たな趣味は生きがいの創出や社会的な繋がりのきっかけにもなるため、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。
【100均で買える】入院中の高齢者におすすめの暇つぶしグッズを紹介
入院中の高齢者におすすめの暇つぶしグッズとして、100均で買えるものは次のとおりです。
色鉛筆やクレヨン、スケッチブック
絵を描くことは、高齢者にとって素晴らしい暇つぶしです。100均では色鉛筆やクレヨン、スケッチブックが手頃な価格で購入できます。
これらを使って、風景や花、動物など、何でも好きなものを描くことができます。絵を描くことは、創造性を刺激し、手指の運動にも最適です。
折り紙セット
折り紙は、手軽に楽しめる日本の伝統的な暇つぶしです。
100均で購入できる折り紙セットには、さまざまな色や柄の紙が含まれており、高齢者でも楽しめる簡単なものからチャレンジする価値のある複雑なものまで、多種多様な折り方が楽しめます。
手先を使うことで、手指の運動にもなるためおすすめです。
ガーデニングセット
100均では、小さなプラントポットや種、土など、室内で楽しめるガーデニングセットも販売されています。窓辺で小さな植物を育てることは、生活に彩りを加えるだけでなく、日々の成長を見守ることで心の安らぎを得ることができます。
これらのアイテムは、100均で手軽に入手でき、入院中の高齢者が楽しむことができる暇つぶしグッズです。創造性を刺激し、身体的・精神的な健康維持にも効果が期待できるため、プレゼントとしても最適です。
【寝たきりの方向けにもおすすめ】目を使わないおすすめの暇つぶし
ここでは、入院中の高齢者におすすめの暇つぶしを、目を使わないでおこなえるものに絞って紹介します。
寝たきりの方にもおすすめの内容であるため、ぜひ参考にしてください。
オーディオブックや音楽プレーヤー、ラジカセ
視力や手の動きが制限されている方でも、耳で楽しむことができるオーディオブックや音楽プレーヤー、ラジカセは素晴らしい暇つぶしです。
特にオーディオブックは、物語を聞くことで想像力を働かせることができ、精神的な刺激になります。また、音楽は心地よくリラックスさせてくれるだけでなく、好きな曲を聞くことでポジティブな気分になれます。
ポータブルDVDプレーヤー
映画やドキュメンタリー、バラエティ番組などを視聴することは、寝たきりの方にとっても大きな楽しみです。
ポータブルDVDプレーヤーを使えば、病院のベッドの上でも簡単に好きな番組を楽しむことができます。視聴する内容によっては、笑ったり感動したりと、感情の豊かな体験を提供してくれるでしょう。
音声アシスタント機能を搭載したスマートデバイス
音声で操作できるスマートスピーカーやタブレットは、寝たきりの高齢者にとって非常に便利なツールです。天気の確認、音楽の再生、オーディオブックの聞き放題サービスへのアクセスなど、声だけで多くの機能が楽しめます。
スマートフォンの操作が苦手な方でも、音声で操作できるデバイスは非常におすすめといえるでしょう。
【手芸好きの高齢者向け】入院中におすすめの暇つぶしグッズを紹介
ここでは、手芸好きの高齢者向けに、入院中におすすめの暇つぶしグッズを紹介します。
刺繍セット
刺繍は、少ない材料で始めることができ、色々なデザインを楽しむことができる手芸です。
刺繍キットには、布、刺繍糸、針、デザインがプリントされた図案など、必要なものが一通り揃っているため、入院中でもすぐに始めることができます。
また、目の細かい作業は集中力を高め、細かい手の動きがリハビリにもなります。
編み物キット
編み物は、編み針と毛糸さえあれば始めることができ、スカーフや帽子、コースターなど、様々なアイテムを作ることができます。入院中の高齢者にも、おすすめの趣味だといえるでしょう。
初心者向けのキットも多く、簡単なものから徐々にスキルアップしていくことができます。また、編み物はリズミカルな動作が心地よく、リラックス効果も期待できます。
ビーズキット
ビーズアートは、小さなビーズを使ってアクセサリーや小物を作る手芸です。
ビーズを並べていく作業は、集中力を要し、美しい作品が完成すると大きな達成感が得られます。キットには、ビーズ、糸、針、作り方が含まれており、ベッドの上でも取り組みやすい暇つぶしです。
クロスステッチキット
クロスステッチは、カウントされた布に糸で模様を刺しゅうする手法で、初心者から上級者まで幅広く楽しむことができます。
キットには、布、糸、針、図案が含まれており、小さな作品から始めることができます。完成した作品は、部屋の装飾やプレゼントにも最適です。
フェルトクラフトキット
フェルトクラフトは、針とフェルトを使って、動物や花などの立体的な小物を作る手芸です。
フェルトは扱いやすく、針で形を整えていく作業は、独自の創造性を発揮できます。キットには、フェルト、針、型紙などが含まれており、初心者でも取り組みやすいものが存在します。
新たな趣味として、入院中に取り組むのもよいでしょう。
【認知症予防】入院中の高齢者におすすめの暇つぶしグッズを紹介
ここでは、認知症予防としてもおすすめできる入院中の高齢者の暇つぶしグッズを紹介します。
パズルやクロスワードの本
パズル本には、数独、クロスワード、ロジックパズルなど、さまざまな種類があります。
これらのパズルは、論理的思考や記憶力、集中力を鍛えるのに効果的です。
手軽に始められ、完成させた時の達成感も大きく、認知機能の維持にも役立ちます。
読書、Kindle
読書は想像力を豊かにし、新しい知識を得ることができる活動です。物語に没頭することで、脳の言語理解能力や記憶力を鍛えることができます。
Kindleなどの電子書籍リーダーを使用すれば、文字サイズを調整できるため、視力が低下している方でも読みやすいでしょう。
携帯性にも優れているため、入院中でも多くの書籍を楽しむことができます。
ドリル
ドリルは計算ドリルや言語ドリルなどの種類が存在し、特定のスキルを繰り返し練習することで脳を刺激する教材です。
ドリルでの学習は注意力や集中力、理解力を高めることができ、認知症の予防に有効といわれています。
簡単なものから徐々にレベルアップしていくことで、楽しみながら脳を活性化させることができるでしょう。
塗り絵
大人向けの塗り絵は、色を選んで細かい部分を塗りつぶすことで、集中力を高め、ストレスを軽減します。また、色彩を選択する過程は創造性を刺激し、手の細かい動きが脳の運動能力を向上させます。
美しい完成品を見ることで、達成感や満足感を得ることができ、認知症予防にも効果的です。
言語学習
新しい言語を学ぶことは、脳にとって最も効果的な運動の一つです。
言語学習は、記憶力、注意力、批判的思考力など、複数の認知能力を同時に鍛えることができます。音声教材やオンラインプログラムを利用すれば、入院中でも新しい言語を学ぶことが可能です。
言語学習は社会的な交流の機会を増やすことにもつながり、精神的な健康にも良い影響を与えます。
まとめ:高齢者の入院中の暇つぶしにはさまざまなメリットがある!
今回は、入院中の高齢者の暇つぶしのメリットや、おすすめの暇つぶしグッズをジャンル別に紹介しました。
入院中の高齢者にとって、暇つぶしには気分転換や手指のリハビリ、認知症予防など多くのメリットが存在します。
おすすめの暇つぶし方法には個人差があるため、自身に合った暇つぶし方法を探してみてください。
また、ご家族から入院中の高齢者に暇つぶしグッズを贈るのも非常におすすめです。プレゼントや差し入れを検討する際は、本記事で紹介した内容をぜひ役立ててください。
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