近年の高齢化により、高齢世代を親に持つご家族の悩みは増えてきました。特に離れて暮らすご家族は、親御さんに万が一があった場合を想定してたくさんの心配を抱えていると思います。
国土交通省が公表している死因別統計データでは、東京都で発生した孤独死は増加傾向にあり、2018年は5,513件で、うち65歳以上は約7割(3,867件)となっています。この7割という比率が物語っているように、高齢者の一人暮らしを支援することは非常に重要です。
では、実際に独居高齢者を支援するにはどんな方法があるのか。どんなサービスがあるのか。お金はかかるのか。効果はあるのか。等々・・・いくつかの選択肢の中から、自身の親に合ったサービスを受けたいですよね。
今回は、過去に行政の高齢者福祉部局に4年在籍した経験を持った私が、独居高齢者を見守る方法をご紹介します。今回は「LINE」アプリを使った方法についてご紹介します。
LINEを使った見守りサービスを選ぶメリット
近年のスマートフォンの急速な普及により、メッセージのやり取りの主流もメールからLINEへと変わっていきました。現在多くの方がLINEを利用しており、新たにアプリをインストールしたり初期設定をする必要がないというメリットがあります。
また、高齢者との普段のやり取り自体もLINEを使うことができれば、そのやり取りの延長線上で安否確認ができるようになるため、高齢者の尊厳をなるべく傷つけない自然な形で見守りを導入することができます。
✔ 既にLINEを利用していれば、新たにインストールや初期設定が必要ない。
✔ 高齢者の尊厳を傷つけない自然な形で見守りができる。
✔ グループ機能など活用すれば複数人で見守ることができ家族の負担も分散できる。
LINEを使った見守りサービスの紹介
エンリッチ 見守りサービス
LINEを使った見守りサービスでおすすめなのがEnrich 見守りサービスです。
特定非営利活動法人エンリッチが提供するサービスで、代表の紺野さんが過去に自身の弟を孤独死で失った経験から開発した見守りサービスです。
このサービスの最大のメリットは無料で使えるということ。登録しLINEで友達登録をするだけで利用することが可能で、複雑な設定を必要としません。ただし、電話番号やご家族の情報など見守りをするにあたり最低限の設定は必要です。
「毎日」、「2日に1回」、「3日に1回」という任意の頻度でエンリッチから安否確認の連絡が入り、ワンタップで無事を知らせることができます。また、配信時刻は自分の気付きやすい時間帯を選ぶことも可能です。
無料のサービスでありながら、驚くことに安否が確認できなかった場合直接電話連絡をしてくれます。それでも連絡が取れなかった場合は、近親者へ連絡もしてくれます。正直、ここまでのサービスは利用料金をもらってやっている会社が多いので、非常におすすめできるポイントです。
エンリッチ つながりサービス
こちらはエンリッチが運営するもうひとつの見守りサービスです。
「見守りサービス」と違い登録時の自身やご家族の個人情報の登録は必要ありません。
見守りたい人が、グループに見守りサービスを招待することで利用がスタートします。定期的にグループに対し安否確認が送られ、参加者はそれぞれ自身の無事を伝えます。安否確認が取れないメンバーがいた場合に通知がされ、グループのメンバーが安否確認を行います。
こちらを選ぶメリットとしては、個人情報の登録が不要でリスクが無い点と、安否確認を複数人で行える点にあります。
こういったサービスを利用した際、高齢者があまりよく理解しておらずほったらかしにしてしまい、頻繁に見守りサービスの運営会社から電話連絡が来てしまうケースも多く見受けられるようです。日中の仕事中などに連絡が来たら、ご家族はドキッとしてしまいますよね。そういった負担が少なく自分たちのペースで見守りができる点がメリットだといえます。
こちらの「つながりサービス」については月額550円の利用料金が発生しますのでご注意ください。
見守り猫さん
株式会社VALUECAREが発売した、Iot端末とLINEを活用した見守りサービスです。
上記でご紹介したエンリッチのサービス同様LINEを使った安否確認機能があり、見守られる側はボタン一つで無事を伝えることができます。
それに加えて、ドアなどの日常生活で必ず動かす場所にIot端末を設置し、開閉が行われているかを自動で確認することで安否確認もできます。
LINEのボタン通知による見守りサービスだけだと、高齢者がボタンを押し忘れたり、携帯を放置していたりすることが良くあります。当然ですが、離れて暮らすご家族は日ごろから心配をしており、安否確認が取れず慌てて自宅に向かったら押し忘れていただけ・・なんてことも。見守る側の家族の心労も重くなってしまいます。
その点「見守り猫さん」は、二重の安否確認を採用しているため、LINEのボタンを押していなくてもドアの開閉が行われているから大丈夫だろう。と推測できます。見守る側のご家族にとっても安心できるポイントです。
まとめ
今回は、一人暮らし高齢者向けの見守りサービスを「LINE」を活用した方法についてご紹介しました。
最近では民間企業が多くの見守りサービスを展開していますが、ご紹介したLINEを使った方法は普段の連絡ツールとしての延長線上で使うことができ、馴染みがあるため導入がしやすいことがポイントです。
ただし、こうした連絡ツールを使った見守り方法のみの利用だと、どうしても高齢者のボタンの押し忘れ等で見守る側がドキッとさせられるケースがあります。認知機能の低下が認められる高齢者であればなおさらその傾向が強いです。
Iotを活用した、なるべく自然な形でのさりげない見守りというのも増えてきています。これらと組み合わせて上手く使っていくことが、安心で確実な見守りを行うポイントです。
今回ご紹介した以外の見守りサービスについてまとめた記事もありますので、ぜひご覧ください(^^)/
コメント
ブログを見て勉強させていただきました!
LaughBaer代表の小林と申します。
突然の連絡で失礼いたします。
私たちの新しい見守りサービス『ワライグマLINE』というのも始めさせていただきました。
ぜひご覧になっていただき、ご意見を頂戴できれば幸いです。
よろしくお願いいたします。