
こんにちは、ヨシダ課長です。
今回は、過去に4年間行政の介護福祉分野で働いていた経験のある私が「介護タクシー」について紹介します。
要介護状態の高齢者を支援するご家族の悩みや負担のなかで、以外にも多いのが「病院などへの送迎や付き添い」に関してのお悩みです。日中仕事があるなかで時間を作ることはもちろん、介護度が重いほど車の乗降などの介助はご家族でも大変です。さらには病院での待ち時間や処方箋での時間も含めると・・・半日程度はかかってしまいます。
こういった問題を解決できるのが、「介護タクシー」です。聞いたことがる方も、そうでない方でも分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください(^^♪
介護タクシーとは

まずはじめに、介護タクシーの概要について説明します。
介護タクシーは体の不自由な方、要介護状態の高齢者などが利用しやすいように考えられたタクシーです。病院などへの送迎にも使えるサービスで、利用することで日中忙しいご家族の負担を減らすことができます。
「介護タクシー」と呼ばれるもののなかでもいくつか種類があり、どのサービスを使うかによって皆さんが一番気になるであろう料金が介護保険が適用できるかどうかで変わってきます。
介護保険が適用できる「介護保険タクシー」
「介護保険タクシー」というのは正式に定められた名称ではありません。正確にいうと、介護保険サービスのなかの「訪問介護」に含まれるサービスの通称です。
ですので、条件を満たせば他の介護保険サービス同様、保険適用で利用することができるサービスとなります。既に市役所で要介護認定を受けた方であれば利用できる可能性があるので、利用の可否については担当のケアマネに相談するのが一番良いと思います。
介護の専門資格を持つ運転手が乗降に際しての介助を行ってくれるので、ご家族が同行するよりも転倒などのリスクが少ないといえる反面、病院内の付き添いは原則としてできない場合があります。高齢者本人の状態に応じて例外的に認められる場合もあるようですが、認知症の方や自分で病院内での移動をするのが難しい方にとっては他の利用方法を考える必要がありますね。
介護保険適用外の「福祉タクシー」
上記の介護タクシーと同じように高齢者を移送するサービスのなかで、運転手が介護の専門資格を持たない場合もあります。その場合は高齢者の乗降介助を行うことができませんので、介護保険の適用を受けることができません。
こういった介護保険外で高齢者を移動するサービスを行う場合を「福祉タクシー」と呼んでおり、介護タクシーと区別しています。ただ、こちらについても法令等で正式に定めがある訳ではなく、地域によっては高齢者や障害者向けの移動サービスをまとめて「福祉タクシー」と呼ぶこともあるようです。
介護タクシーと福祉タクシーのメリット・デメリット

ご紹介した介護タクシーと福祉タクシーのメリット・デメリットについてまとめると・・・
メリット | デメリット | |
介護保険タクシー | 運転手が介護資格保有者であり、乗降介助が行える。 介護保険の適用が受けられる。 | 利用目的が限られる(通院など) 利用条件を満たすことが必要。 |
福祉タクシー | 利用目的の制限を受けない。 柔軟な対応が可能(病院内での付き添い等行える場合も) | 介護保険適用外のため、全額自己負担となる。 運転手が資格を持っていない場合乗降介助ができない。 |
といった感じです。これを見ると、一概にどちらが良いとは言いきれませんよね・・・
なので、「何に利用したいか」「何に困っているか」を明確にしたうえで、担当のケアマネさんに相談するのが一番良いと思います。

相談する前に、インターネットで「(自分の住んでいる自治体) 介護タクシー」と検索してみて、住んでいる地域ではどんな内容の運行事業者がどんなサービスを行っているのかを把握しておくと話がスムーズかもしれませんね(^_-)-☆
介護タクシーの費用について
上で説明したように、介護タクシーにはいくつか種類があり、目的や内容によって使うサービスが異なります。
そのため、皆さんが一番気になるであろう費用面についても内容によって変わってきますので、ここでは詳細を省きます。具体的な金額について知りたければ担当のケアマネさんに相談しましょう。
基本的に介護タクシーの利用料金は
運賃+介助にかかる料金+介護機器レンタル料
で算出されます。
この基本形を把握しておいて、介護タクシー業者を選ぶ際に料金設定が妥当かどうかを判断した方が良いです。
ケアマネージャーも万能ではない!自分で調べることも重要です。

高齢者本人にどんな介護サービスが必要か、定められた上限のなかでどのように介護保険を利用していくのか、考えるのは専門職であるケアマネージャーの仕事です。
しかし、ケアマネージャーも万能ではありません。人によって情報量に差がありますし、性格上の合う合わないもあるでしょう。少しのすれ違いから不信感へと繋がり、本人やご家族と連携が取れなくなってしまうことは最適なケアプランを作成するうえでの障害となります。
近年はケアマネージャーさんも一人当たりが担当する人数が増えてきていると聞きます。その分業務量も膨大となるため、一人一人にかける時間も以前ほど多く取れなくなってきているのが現状です。
こうした状況の中で重要なのが、自分でも調べてみて知識をつけたうえでケアマネさんと話し合いをすることです。このようなご家族の姿勢は担当のケアマネさんにとっては心強いですし、同時に「しっかりしなきゃ」と奮い立たせるきっかけとなるかもしれません。
なんかよくわかんないけど、本当に大丈夫かな・・・という漠然とした不安から、ケアマネ変更の依頼に結びつくケースも多々あります。私が行政職員として勤務していた頃も、この手の話は多くありました。ひょっとすると、現在ではもっと多くなっているかもしれません。
自分でも調べて事前知識をつけることは、担当ケアマネさんのパフォーマンスを向上させることに繋がると私は考えます。
まとめ
今回は、病院への送迎や付き添いになかなか時間を取れない・・・といった高齢者の「移動」の問題を解決する方法の一つとして、介護タクシーについてご紹介しました。
介護タクシーといってもいくつか種類があり、それによってメリット・デメリットも存在するため、個々の状態に合わせて利用方法を検討する必要があります。
今回ご紹介した介護タクシーについては、専門職など仕事上関りがある方以外は知らなくても当然のサービスだと思います。もしかすると担当のケアマネさんも、完璧には理解していないかもしれません。
最適なサービス利用のきっかけとなり、本人はもちろん日々奮闘するご家族の負担軽減に繋がれば幸いです。
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