
こんにちは。ヨシダ課長です。
今回はシニア世代のみなさまが今からでも「生きがい」を見つけるためのおすすめの方法をご紹介します。
年齢を重ねて「高齢者」となった方、もしくはそのご家族様に向けた記事となります。
ぜひ最後までご覧ください。

筆者は過去に行政職員として4年間高齢者向けの福祉部局で働いていました。
その時の経験を基に今回の記事を書いていきます。
高齢者はどんなときに生きがいを感じているのか
内閣府が発表している「高齢社会白書」というものがあります。そのなかで高齢者がどの程度生きがいを感じているのか、またどういった時に生きがいを感じるのかを統計で表したデータです。
令和4年版高齢社会白書 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/pdf/1s3s_02.pdf
最新の令和4年版データを見ると、比較的生きがいを高く感じる高齢者の特徴として
・近所の人との付き合いが深い
・親しくしている友人・仲間がいる
・普段の外出の頻度が高い
・情報機器を利用している(インターネットショッピングなど)
が挙げられています。
また、全体的に生きがいを感じている程度についての調査項目では、生きがいを「十分感じている」が22.9%、「多少感じている」が49.4%となっており、合計すると72.3%となっています。

このデータをみると高齢者のうち7割の方が生きがいを感じているという結果となります。
しかし一方で、十分生きがいを感じていると答えた方は22.9%しかいないという見方もできます。
私にとっての生きがいはこれだ!!というものを見つけられたら、5割近くの「多少感じている」と答えた方が「十分感じている」に変わるかもしれません。
生きがいは心と体の健康に大きく関わる
生きがいを持っているかどうかは心身の健康と密接な関りがあるといわれています。
生きがいを持っている人は持たない人に比べて認知症のリスクが低いという説も提唱されています。認知症の予防に有効なのは他者との関りや社会参加などを通じて日ごろから脳を活性化させることだといわれていますが、この「他者との関わり」は上記でお話しした通り生きがいの有無にも繋がってくる重要なポイントです。
もちろん、自分一人で完結するような趣味活動が生きがいという方なら話は変わってきますが、多くの人が他社との関りを生きがいに感じ、健康寿命の延伸に繋がっているのです。
なので今回は、「他社との繋がり」や「社会との繋がり」に着目して、生きがいを見つけるための新たな挑戦として何をすればよいのか、いくつかご紹介していきたいと思います。
高齢者の生きがいづくりにおすすめな方法3選
インターネットに挑戦してみる
「高齢者はインターネットを使えない」はもう古い
この動画はYOURUBEにで投稿された日テレNEWSの動画です。
本記事の序盤でも紹介した「令和4年版高齢社会白書」の内容を一部抜粋して紹介しているものになります。
内閣府の統計調査によると、65歳以上の方で情報機器を使っている方が8割以上にのぼり、情報機器を使っている高齢者は情報機器を使わない方と比較すると、なんと3倍以上が生きがいを感じると回答しています。
もちろん、他の要因もあるため直接的な因果関係がどこまであるのかは分かりませんが、このなかにはインターネットの利用自体が生きがいとなっている方も含まれることが推測できます。
インターネットは「新しいチャレンジ」ができる
近年のインターネットの普及により、私たちの生活は豊かになりました。今ではインターネットで仕事をしたり、インターネットで付き合った方と結婚する方もいらっしゃいます。
私のようにブログを書いたり、ゲームをしたり、動画を編集して投稿したり・・・こうしたインターネット上の趣味活動が「生きがい」となり得るのは、若者だけでなく高齢者も同じです。
特に高齢者には、長い人生で培ってきた知識やノウハウがあります。自分の得意なことや趣味を他者に伝える活動をしている高齢者は幸福度が高いという研究発表もありますが、それが不特定多数の方にできるのがインターネットという媒体です。高齢者だからこそ、インターネット上に活躍できる場はたくさんあると私は感じます。
他者との関り・社会との繋がりを満たす生きがいづくりのきっかけは、インターネット上にあるかもしれません。
高齢者のインターネット利用は不安な面も→自治体や携帯会社の教室に参加しましょう!!

高齢者がインターネットを利用するうえで、本人はもちろん家族からしても、「詐欺などの被害に遭うのではないか」「間違えて大量に商品を購入してしまわないか」など不安だと思います。
ファーストステップとしておすすめなのが、自治体のパソコン教室や携帯会社のスマートフォン教室に参加してみることです。
近年行政手続きなどもインターネット上での手続きが推進されており、高齢者にもインターネットを使って欲しいという考えは国も持っています。そのため、自治体や携帯会社に、高齢者向けのパソコンやスマホ教室をやるための補助金を出しているのです。
その結果、高齢者が比較的安価で教室に参加できます。また、周りも自分と同じ高齢者ばかりなので、「ついていけるかな?」といった心配も必要ありません。
まずはこういったものに参加して、基礎から学んでいけばインターネットを使いこなすことができるはずです。
シルバー人材センターに登録してみる。

特に男性で多いのが、仕事を生きがいにしてきたという方。特に今の高齢世代は、定年まで一生懸命勤め上げて、退職後何をしたらよいかわからない、俗にいう「燃え尽き症候群」になってしまった方も多いでしょう。
そういった方には、シルバー人材センター等に登録し、定年後も仕事により生きがいを得る。という方法をおすすめします。
シルバー人材センターとは?
シルバー人材センターという言葉に馴染みがない方もいるかもしれないので、簡単に概要をご紹介します。
シルバー人材センター(センター)とは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、 地域社会の活性化に貢献する組織です。
センターは、原則として市(区)町村単位に置かれており、基本的に都道府県知事の指定を受けた社団法人で、 それぞれが独立した運営をしています。
公益社団法人 全国シルバー人材センター事業協会 公式ホームページより引用
シルバー人材センターは、定年退職後の高齢者向けに、 「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な業務」を提供するとともに、 ボランティア活動をはじめとするさまざまな社会参加を通じて、 高年齢者の健康で生きがいのある生活の実現と、地域社会の福祉の向上と、活性化に貢献しています。
ポイントが「地域社会の福祉の向上と、活性化に貢献」することを目的としている点です。高齢者の仕事が社会での役割の形成に繋がり、生きがいとなります。
仕事の種類も多種多様なため、自分の経験や知識が活かせる内容の仕事が見つかるかもしれません。
まずは自分が住んでいる地域のシルバー人材センターにはどのような内容の仕事があるのか、話を聞きに行っても良いかもしれません。
自治体が実施する介護予防教室に参加してみる

自治体も高齢者の生きがいづくりを目的とした事業を行っています。
介護予防を目的とした教室に参加すれば、健康寿命の延伸に繋がるのはもちろん、他の教室参加者との交流の機会にもなり一石二鳥です。
さらに自治体が実施する介護予防教室は、無料で実施しているものやワンコイン程度の参加費で参加することのできるプログラムが多い傾向があります。
国や県からの補助金をもらって運営している事業なので、参加者に恩恵があるのは大きなメリットです。
私が所属していた自治体でも多くの教室を実施しており、「高齢者の生きがいづくり」は高齢者福祉の分野においてトレンドでした。それだけ国が重要視している問題だということです。
公民連携で楽しい介護予防も
自治体によっては、民間企業と連携する「公民連携」で介護予防の教室を行っているところもあります。民間企業が持つノウハウや技術力、ビッグデータを活用しながら公共事業としての介護予防教室が実施できるのは、まさに「いいとこどり」です。
この「公民連携」を推進した結果、行政だけで実施する介護予防教室と比較すると、とても楽しい内容のプログラムを実施している自治体もたくさんあります。
「公民連携」「介護予防」「楽しい」で検索するとこんな記事が出てきました。

愛知県瀬戸市が実施する「大人の本気ダンス」という事業に関する日経BPの記事です。
市民と行政が一緒にオリジナルのダンスコンテンツを作成し、その担い手を市民自ら務めるといった内容です。
私が高齢福祉分野で働いていた頃と比較すると、自治体の実施する介護予防の内容は本当に良い変化をしていると実感します。
すべての自治体でこういった事業を展開しているとは限りませんが、自分に合った内容のプログラムが見つかるかもしれません。まずは住んでいる自治体の高齢福祉部局に問い合わせてみましょう。
最後に
今回はシニア世代のみなさまが今からでも「生きがい」を見つけるためのおすすめの方法をご紹介しました。
これから生きがいを見つけようと思っている高齢者はもちろん、そのご家族様にも参考となれば大変嬉しく思います。
何歳になっても元気に生き続ける「アクティブ・シニア」として、これからも輝かしい人生をお過ごしください。それでは、また。
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