
こんにちは、ヨシダ課長です。
今回は認知症高齢者の徘徊を早期に見つけるおすすめGPSサービスをご紹介します。
日ごろから高齢となったご家族の支援・介護に奮闘されている皆様。本当にお疲れ様です。
ご家族の介護にまつわる悩みは、なかなかデリケートな話題でもあるため、他人に相談し辛いという方もいらっしゃると思います。
私は過去に4年ほど自治体の高齢福祉部局で働いていた経験があります。そこで培った経験をブログに書き、少しでもご家族の不安や悩みを軽減できたら嬉しいです。
認知症高齢者の徘徊は年々増加してきている。
警察庁が毎年、認知症・または認知症の疑いがある方の行方不明の件数を発表しています。
それによると、2021年に行方不明として警察に届け出があった人の数は、全国で17,636人となりました。前年(2020年)と比べて71人、増加しています。
認知症による行方不明者の数は、統計を始めた2012(平成24)年以降、年々増加しており、
2016(平成28)年以降は
2017(平成29)年は15,863人、2018(平成30)年は16,927人、2019(令和元)年は17,479人、2020(令和2)年は17,565人、2021(令和3)年は17,636人、
と増え続けています。
近年の高齢化に伴い、こういった事案も増えている深刻な現状が数字から見て取れます。
認知症高齢者の徘徊を予防することは難しい

認知症高齢者の徘徊が年々増加している背景から、徘徊を未然に防止するということが重要だという声も高まっています。
しかしその反面、徘徊を未然に防止するということは簡単ではないことだと私は感じています。もちろん、できることはやった方が良いという前提ですが、それでも徘徊に出てしまって行方不明となった場合を想定しておき、早期発見に向けた取り組みを日ごろから行うことも、徘徊防止に向けた取り組みと同じくらい重要だといえます。
また、認知症高齢者の徘徊を未然に防止するための方法として。
・地域包括支援センターや民生委員・近所の方へ事前に相談しておき状況を把握してもらう。
・趣味や生きがいを見つけてもらう
・デイサービスなど利用して安心できる状態で外出する。
などが挙げられます。一つ目の特に地域包括支援センター等地域コミュニティとの連携は特に重要で、防止するだけでなく、万が一行方不明になってしまった場合も日ごろから関わりを持つことで顔が分かる地域の方々が捜索に協力してくれるので非常に心強いです。
認知症高齢者の徘徊を早期発見するためのサービスおすすめ
それでは実際に認知症高齢者の徘徊を早期発見するためのサービスについて紹介します。
自治体が行うサービスを利用する
私は過去に4年ほど行政の高齢福祉部局で働いていた経験があるので、その経験を踏まえて住んでいる自治体への相談は必須レベルであると考えます。
①行方不明になった場合の捜索がスムーズに行える。
②自治体の補助を受けてGPSサービス等が安く受けられる場合がある。
③他関係機関への情報共有も行ってくれる。
意外かもしれませんが、行方不明が発生した場合警察や現場の介護職員だけでなく自治体の職員も一緒に捜索してくれる場合があります。その際に事前に相談しているかどうかで、捜索の効率は変わってきます。
また、地域の包括支援センターは自治体からの委託で日々の業務を運営している場合が多いため、ファーストステップとして自治体に相談することで受けられるサービスが把握できるとともに、地域の包括支援センターに繋いでもらうこともできます。
いざという時のために地域のコミュニティと繋がっておきたいけれど、どこに相談していいかわからないという方は、まずは自治体か包括支援センターへ相談すれば包括的な目線でいろいろ教えてくれるはずです。
また、GPSなどを活用したサービスも自治体の補助を受けて利用できる場合があります。GPSを利用したサービスは端末代金などの高額な費用がかかってしまう場合が多いため、条件を満たしていれば積極的に使っていくことをおすすめします。
民間企業が実施するGPSサービスのまとめ
ここからは民間企業が実施しているGPSを活用した早期発見に向けた取り組みについてご紹介します。
近年、持ち前の技術力を活かした徘徊対策サービスを提供している企業も増えてきており、どんなものがあるのかを把握することは非常に重要です。
靴やストラップ、スマートフォンなどGPSがつけられる媒体は多岐にわたるため、ご家族の生活実態と照らし合わせて最適なサービスを探してみましょう。
ALSOK まもるっく

ALSOKが実施している見守りサービスです。専用の端末をレンタルし、高齢者に携帯してもらうこととで安心できる様々なメリットがあります。
専用端末にはGPSが搭載されており、行方不明になってしまった際に携帯していればご家族のスマートフォン等から現在地が確認できます。また、専用端末にはストラップがついており、引っ張ることでALSOKに緊急通報ができます。自宅で過ごしているときでも、何かあったときにすぐに助けを呼ぶことができるのは安心ですよね。
通話料金が30秒ごとに20円かかりますが、専用端末を使って登録してある連絡先のみ通話が可能です。スマートフォンの扱いが難しい方にとっては、これ一つでスマホの代わりとなります。機能が制限されている分操作がとってもシンプルで分かりやすいです。
肝心の費用については下記表のとおりです。
初期費用 | 6,600円 |
月額料金 | 1,870円 |
位置検索 | 1回につき5円 |
通話料金 | 30秒につき20円 |
懸念点としては、この端末を持たずに出歩いてしまった場合に位置を把握する術が無くなってしまう点です。普段の生活でこれだけは持ち歩く癖がつけば非常に有効だと思いますが、そこに至る過程で難点があります。
iTSUMOのGPS

iTSUMOのGPS公式ホームページ https://itsumono-gps.jp/
iTSUMOのGPSは介護保険が適用できる点が特徴です。介護保険を適用することで1,500円~2,000円で利用することができます。(負担割合による)福祉用具のレンタルの扱いになるので、興味を持たれたら担当のケアマネージャーさんに相談するのが良いでしょう。
自宅から半径50mから最大99kmの範囲でエリアを設定でき、その範囲を出た際にご家族にメールが来ます。行動範囲を出た場合に自動で把握できる仕組みは安全性を高めてくれますね。
また、振動を検知し歩き続けている間は5分おきに位置情報が送られてくるようになっています。遠隔操作で端末のブザーを鳴らすこともできるため、本人に異変を気づかせるきっかけになるかもしれません。
また、iTSUMOのGPSの大きな特徴として普段はいている靴やシルバーカー、カバン、杖、服、お守りなど個人の生活実態に合わせて様々なものに装着できます。GPSを活用した端末については、いざ徘徊してしまった時に持ち歩いていることが最も重要なので、この点は大きなメリットと言えます。
デメリットとしては、介護認定を取得して介護保険の適用を受けないと、費用が高額になってしまう点です。保険適用無しの場合、初期費用10,000円、月額12,000円の負担となります。
介護認定を取得するほどではないけど、ちょっと心配・・・という方にはあまりお勧めできません。
まとめ
今回は、高齢者の徘徊を早期に見つけるおすすめGPSサービスをご紹介しました。
行方不明のまま見つからず最悪の結果を迎えてしまうケースも年々増加しています。
大切なご家族を守るため、できることを始めていきましょう。そして何よりも大切なことは、ご家族が悩みを抱えすぎないことです。地域コミュニティや行政は、頼もしい味方と考えて使えるサービスは遠慮せずどんどん使っていきましょう。
まずは「知る」ことが大切です。今回の記事でご紹介した他にも、みなさんに合うサービスがきっとあるはずです。
今回の記事が少しでも高齢のご家族の介護に日々奮闘するみなさまの力になることを願っています。
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