
昨今の高齢化により一人暮らし高齢者や高齢者のみで構成される世帯が増えてきました。
きちんと食事はとれているのか、家の中で倒れたりしていないか、寂しい思いをしていないか・・等々離れて暮らすご家族にとっては、心配事がたくさん出てくると思います。
今回はそんなご家族の悩みのなかから、「食事・栄養バランスの確保」と「見守り」面で役立つ情報をお伝えしたいと思います。少しでも不安や疑問が解消されたら嬉しいです。
高齢者の食事の確保に配食サービスがおすすめな理由
それではまずはじめに、高齢者向けの配食サービスを利用するメリットをお話しします。
前提として、自分たちで食材を買い料理ができる間はこういったサービスを使わない方が良いと考えます。料理は献立を考えながら手順に沿って手を動かし、脳を活性化させることで認知症の予防に効果が期待できます。料理を作ることが趣味や生きがいだという高齢者もいると思います。そういった機会を奪うのはあまり良くありません。
そういった反面、高齢者にとって栄養バランスの確保は非常に重要な問題です。栄養バランスが取れずに体に悪い影響が出てくると、フレイル(虚弱)や要介護状態に進行してしまい自分でできることの「幅」が少なくなってしまう悪循環に陥ってしまう危険性があります。また、既に認知機能の衰えが認められる方は食材の買い出しから交通事故や行方不明等のリスクが出てきます。
こういった状態で無理をしてしまうと、良くない結果になりかねません。ある程度の「諦め」は必要だと私は感じます。
配食サービスを活用すれば栄養バランスの確保や食材の調達は考える必要がなくなります。そこで余った時間やエネルギーを他のことに使えますし、離れて暮らすご家族の安心にも繋がります。
・体の不調により食材の買い出しが難しくなった方
・栄養バランスの偏りがある方
・認知機能の低下により火の管理等が不安な方
配食サービスの選び方
いざ配食サービスを利用しようと思うといくつか選択肢があります。
利用するサービスを選ぶ際は「自分たちに合った」ものかどうか判断することが重要です。

食事の種類やお届け可能な時間帯・曜日・価格・味など
それぞれサービス業者によって特徴があります。
例えば、かかりつけ医師の指示により刻み食やとろみ食が必要という方には、それに合わせた調理方法ができる業者のなかから選ぶ必要が出てきます。
こういった配食サービスの業者を紹介しているネットの記事では民間企業に絞ったおすすめを紹介しているものが多くありますが、この記事では過去に行政で高齢者専門の福祉部局に4年間在籍していた私から、自治体の実施している配食サービスとも比較しながらご紹介したいと思います。
高齢者向け配食サービスのおすすめ4選!
それでは本題のおすすめ配食サービスをご紹介していきます!
住んでいる自治体が実施する配食サービス
まず第一に把握しておきたいのは住んでいる自治体が実施する配食サービスがどんな内容なのかということです。
自治体がサービス業者に委託して行っている場合が多いので、どういった業者と連携しているのかを調べておく必要があります。
・自治体から補助が出る場合があるため、民間と比較すると価格が安い。
・自治体サービスのため一定の信頼性がある。
自治体サービスは特定の条件を満たした場合に受けられる補助があることが最大のメリットです。これにより民間企業が実施するサービスと比較して安く利用できます。
補助金額や条件については自治体によって異なるため、ここでは大阪市事例を紹介します。
補助金額:利用者負担額1食あたりのうち、400円を超える部分について150円を上限とした補助
条件:世帯全員の年間総所得の合計が150万円以下または市府民税非課税世帯であって、利用者負担額の支払いが困難な場合
といった感じです。私が調べた範囲だと1食あたり150円程度の補助が出る自治体が多い印象でした。かなり大きいと感じます。

自治体の配食サービスの内容については自治体の高齢者福祉担当部局に問い合わせれば教えてもらえます。役所まで行くのが面倒という方は、地域の包括支援センターに問い合わせてみてください。
民間が実施する配食サービス
宅配COOK123

宅配COOK123は、1999年から高齢者専門の宅配業者としてサービスを展開しています。
名前の「123」の由来には、「向こう三軒(3)両隣(1、2)の良き隣人のような存在でありたい」という想いが込められており、高齢者に寄り添ったサービス内容が特徴です。
実績 | 国内約350店舗展開。月間約300万食の配食実績。約430の行政から配食業務を受託。 |
営業 | 年中無休 土日祝日も営業。日替わりメニューを毎食お届け |
食事内容 | アレルギー、刻み対応可能 希望に応じてメニューの差替えや刻み、おかゆなどの対応も可 |
安否確認 | お届け時に安否を確認 お弁当は一声お声がけし、手渡しが原則。 「もしも」 の場合はご指定の緊急連絡先に連絡 |
価格 | 配達料は無料。弁当代についてはこちらから。 |
安否確認などの見守り面でも緊急連絡先までの連絡まで行っており充実している等、高齢者専門ならではの痒いところまで手が届くサービスとなっています。
ワタミの宅食

ワタミの宅食は旬な食材を取り入れた500種類以上の多彩な献立により飽きにくいのが特徴です。
ユーザーと同じ地域に住む「まごころスタッフ」より手渡しで配達がなされ、安否確認もしてもらえます。
実績 | 高齢者食宅配市場で売り上げシェアNo.1(2010~2016年) |
営業 | 日替わり5日間コースの土日祝日はお休み。7日間コースでは祝日分もお届け |
食事内容 | 20品目以上の食材から作られた献立。400kcal基準。食塩相当量3.5g以下 |
安否確認 | 地域の「まごころスタッフ」が手渡しにより配達 |
価格 | 1食あたり616円 詳しくはこちらから |
やわらか食やムース食などの介護職は別サービス「ワタミの宅食direct」の方で対応しています。
こちらは冷凍タイプの宅食になります。
つるかめキッチン

つるかめキッチンは送料無料で全国展開されている宅配食サービスです。
制限食に特化しており、各分野の専門医と管理栄養士の監修で献立が作られており医師から食事の指示が出ている方にとっては安心です。
実績 | お試し購入をした人のリピート購入率は驚異の92.5% |
営業 | 定期コースがあり、一度に届けてもらえる食数は7食、14食、21食から選べる |
食事内容 | 食事制限コースが5種類も用意されており、管理栄養士だけでなく各分野の専門医が監修している。 |
安否確認 | なし |
価格 | 1食あたり710円 詳しくはこちらから。 |
お試し購入をした人のリピート購入率は驚異の92.5%を誇り、満足度が高いこともこの数字からうかがえます。
また、注文したら一度にまとまった分の食事が配達されるので、手渡しが必要ないという方にもおすすめです。
まとめ
今回は高齢者向け配食サービスの選び方やおすすめを紹介しました。
食事の制限が必要だったり、安否確認が必要だったり、高齢者の状態によって必要なサービス内容が異なるため、自分たちに合ったサービスを利用することが重要です。
そのなかでも行政サービスで実施している配食の補助は経済面での大きな負担軽減となるため、悩んだらまず第一に住んでいる自治体の担当部局に問い合わせてみることを強くお勧めします!!
今回の記事を読んで高齢者本人はもちろん、離れて暮らすご家族の負担や心配事の軽減に繋がることを願っています。それでは、また。
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